WordPress vs ヘッドレスCMS:本当に優れているのはどっち?徹底比較!

WordPress vs ヘッドレスCMS:本当に優れているのはどっち?徹底比較!
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※できるだけ公平な立場に立って執筆したつもりですが、私自身の主観や偏見なども多分に盛り込まれている可能性もあるので、そういった点に考慮しつつ最後まで読んでいただけますと幸いです。

WordPressとヘッドレスCMSの基本概念

1. CMSとは何か?

CMS(Content Management System)は、Webサイトのコンテンツを管理・編集するためのシステムです。
従来のWeb開発では、HTMLやCSS、JavaScriptを手動で編集する必要がありましたが、CMSを使うことでノーコードまたはローコードでコンテンツを管理できます。
特に、非エンジニアのユーザーがWebサイトを運用しやすくするために普及しました。

CMSには「モノリシックCMS」と「ヘッドレスCMS」の大きく2種類があります。モノリシックCMSは、バックエンドとフロントエンドが統合された伝統的なCMSの形態で、WordPressが代表的です。
一方、ヘッドレスCMSは、コンテンツ管理機能のみを提供し、フロントエンドは別の技術で構築するスタイルを採用しています。

2.WordPressの概要(特徴・歴史・利用シェア)

WordPressは2003年にリリースされたオープンソースのCMSで、現在も世界で最も広く利用されているCMSの1つです。
2024年時点で、全Webサイトの43%以上がWordPressで構築されており、CMS市場におけるシェアは圧倒的です。

WordPressの主な特徴
  • 直感的な管理画面:HTMLやCSSの知識がなくてもコンテンツの更新が可能
  • 豊富なプラグイン・テーマ:拡張機能が充実しており、低コストで機能追加が可能
  • SEOに強い:専用プラグイン(Yoast SEO など)を活用することで検索エンジン最適化が容易
  • コミュニティの広さ:世界中に開発者・ユーザーがいるため、情報も豊富

ただし、データベースを使用した動的生成が基本であるため、パフォーマンスやセキュリティの課題を抱えており、これがヘッドレスCMSの台頭につながる要因の1つとなっています。

ヘッドレスCMSの概要(定義・仕組み・注目される理由)

ヘッドレスCMSとは、バックエンド(コンテンツ管理)とフロントエンド(表示部分)を分離したCMSのことを指します。
「ヘッドレス(headless)」とは、従来のCMSにある「ヘッド(表示部分)」を持たないことから名付けられました。
コンテンツはAPI(REST APIやGraphQL)経由で提供され、フロントエンドは自由に開発できます。

代表的なヘッドレスCMS
  • Contentful(APIベースのクラウド型CMS)
  • Strapi(オープンソースでカスタマイズ性が高い)
  • Sanity(リアルタイム編集機能が特徴)
  • Ghost(ブログ向けだがAPI提供あり)
なぜ注目されているのか?
  • フロントエンド技術の自由度が高い(React、Vue.js、Next.js、Nuxt.jsなどを活用可能)
  • パフォーマンスが向上(静的サイトジェネレーターと組み合わせれば高速なサイトが実現可能)
  • マルチチャネル対応(Webサイトだけでなく、モバイルアプリやIoTデバイスにも同じコンテンツを配信できる)
  • セキュリティリスクが低い(バックエンドとフロントエンドが分離しているため、攻撃対象が限定される)

ただし、導入には技術的なハードルがあり、開発コストが高くなる傾向があります。

WordPressとヘッドレスCMSのメリット・デメリット

WordPressのメリット

これはそのままWordPressの概要で述べた主な特徴がメリットとして挙げられます。

導入が簡単

WordPressは、レンタルサーバーの管理画面からワンクリックでインストールでき、非エンジニアでも短時間でサイトを立ち上げられます。

豊富なプラグインとテーマ

SEO、Eコマース、セキュリティ対策など、8万以上のプラグインが提供されており、カスタマイズの自由度が高いです。

SEOに強い

Yoast SEOやAll in One SEOなどのプラグインを利用することで、SEO対策を容易に実施できます。

大規模なコミュニティ

WordPressのユーザーと開発者のコミュニティは世界的に広がっており、情報やサポートが充実しています。

WordPressのデメリット

パフォーマンスの低下

動的サイトのため、データベースへのアクセス負荷が高く、大量のトラフィックが発生すると表示速度が低下します。

セキュリティの脆弱性

WordPressは最も攻撃を受けやすいCMSの一つです。
プラグインやテーマの脆弱性が原因で、マルウェア感染やハッキングのリスクが高まります。

更新と管理の手間

定期的なアップデートが必要で、互換性の問題が発生することもあります。
また、プラグインが増えると管理が煩雑になりがちです。

ヘッドレスCMSのメリット

高パフォーマンス

APIを通じてデータを取得するため、フロントエンドの技術(React, Next.js, Nuxt.js など)と組み合わせることで、静的サイトを生成し、高速なパフォーマンスを実現できます。

高いセキュリティ性

フロントエンドとバックエンドが分離されているため、WordPressのような直接的な攻撃を受けにくく、サーバーの負荷も軽減できます。

マルチチャネル展開

API経由でデータを取得するため、Webサイトだけでなく、モバイルアプリやIoTデバイスなど、複数のプラットフォームにコンテンツを配信できます。

フロントエンドの自由度

最新のフレームワークを活用できるため、よりリッチなUI/UXを実現しやすいです。

ヘッドレスCMSのデメリット

導入と開発コストが高い

ヘッドレスCMSは、フロントエンド開発を含めてゼロから構築する必要があり、初期開発コストがかかります。

技術的ハードルが高い

APIの設計やフロントエンド開発の知識が必要なため、非エンジニアには扱いづらいです。

管理画面のUXが劣る場合がある

WordPressのように統合された管理画面を持たない場合があり、コンテンツ管理が煩雑になることがあります。

セキュリティ・運用コストの違い

セキュリティ

WordPressはプラグインやテーマの脆弱性を狙った攻撃が多い一方で、ヘッドレスCMSはAPIベースであり、攻撃対象が限定されるため、セキュリティリスクが低いと言えるかもしれません。

運用コスト

WordPressはサーバー代やプラグイン・テーマのライセンス費用が発生するが、基本的に低コストで済む場合が多いです。
一方、ヘッドレスCMSは開発そのものにかかるコストが高く、APIリクエスト回数によっては追加コストが発生することもある。

用途別の適性比較

企業サイト(コーポレートサイト、ブランドサイト)

項目WordPressヘッドレスCMS
導入のしやすさ◎(低コストで迅速に構築可能)△(開発工数が多く、エンジニアが必要)
デザインの自由度〇(テーマやカスタムテーマの作成が可能)◎(フルスクラッチで自由に構築可能)
運用のしやすさ◎(管理画面がわかりやすく、更新が容易)△(管理画面がシンプルすぎる場合も)
セキュリティ△(プラグインの脆弱性に注意が必要)◎(APIベースで攻撃リスクが低い)
おすすめの選択小〜中規模の企業サイトはWordPress向き大手ブランドやカスタマイズ性を重視する場合はヘッドレスCMSが有利

一般的な企業サイトではWordPressが適していると言えそうです。
WordPressは運用が容易で、更新のたびにエンジニアを必要としないため、企業のマーケティングチームが直接管理しやすいです。
一方、大規模ブランドサイトや動的なコンテンツが多い場合は、ヘッドレスCMSの方が適しているのではないでしょうか。

メディアサイト・ブログ

項目WordPressヘッドレスCMS
投稿・管理のしやすさ◎(エディターが直感的で便利)△(管理画面のカスタマイズが必要)
パフォーマンス△(大量の記事があると遅くなる)◎(静的サイト生成で高速化可能)
SEO対策◎(Yoast SEOなどのプラグインが充実)△(独自実装が必要な場合が多い)
拡張性〇(プラグインで機能追加可能)◎(APIを利用して柔軟に構築可能)
おすすめの選択中小規模のブログはWordPress向き超大規模なメディアはヘッドレスCMSが有利

個人ブログや中小規模のメディアサイトならWordPressの方が適していると言えるでしょう。
一方で、大規模なニュースメディア(例:Forbes、TechCrunchなど)では、ヘッドレスCMSと静的サイトジェネレーター(Next.js、Gatsby.js)を組み合わせた方が高速で安定した運用が可能です。

ECサイト(WooCommerce vs ヘッドレスEC)

項目WordPressヘッドレスCMS
セットアップの容易さ〇(WooCommerceを使えば比較的簡単)△(API連携が必要)
パフォーマンス△(商品点数が増えると遅くなりがち)◎(API経由でスケーラブルに対応可能)
カスタマイズ性〇(テーマ・プラグインで対応可能)◎(フルスクラッチで自由度が高い)
セキュリティ△(定期的なアップデートとメンテナンスが必須)◎(フロントと分離しているためリスクが低い)
おすすめの選択小規模ECはWooCommerce向き大規模ECやスケーラビリティを求める場合はヘッドレスが有利

WooCommerceは、少数の商品を販売する小規模ECサイトに適しています。
一方、大規模ECサイトではヘッドレスCMSとShopifyのようなAPIベースのECプラットフォームを組み合わせることで、より高性能で柔軟なサイトを構築できます。

大規模システム・マルチチャネル展開

項目WordPressヘッドレスCMS
スケーラビリティ△(大規模向きではない)◎(APIベースで拡張性が高い)
API活用△(REST APIはあるが制限あり)◎(GraphQLやREST APIで柔軟に連携可能)
デバイス対応△(Web中心)◎(Web、アプリ、IoTなど多様なチャネルに対応)
適した用途小〜中規模のWebサービスマルチチャネル展開や大規模システム

WordPressは基本的に単体のWebサイト向けのCMSですが、ヘッドレスCMSはAPIを介してさまざまなプラットフォームと連携できるため、スマートフォンアプリやIoTデバイスにもコンテンツを配信するような大規模なプロジェクトには最適です。

技術者・開発者視点での比較

エンジニアやWeb開発者の視点から、WordPressとヘッドレスCMSの開発環境や拡張性、技術的な選択肢を比較します。

開発環境・カスタマイズの柔軟性

項目WordPressヘッドレCMSS
開発環境PHPベース(LAMP環境)APIベース(Jamstack、Node.js、React、Vueなど)
フレームワーク対応限定的(テーマ・プラグイン開発)自由度が高い(Next.js, Nuxt.js, Astroなどと組み合わせ可能)
カスタマイズの柔軟性〇(プラグイン開発・カスタム投稿タイプ)◎(フルスクラッチ開発が可能)
おすすめの選択低コストで素早く開発したいならWordPressモダン技術を使い、最適な環境を構築したいならヘッドレスCMS

WordPressはPHPベースで開発が進めやすく、テーマ・プラグインを活用すればカスタマイズも容易ですが、技術的な制約が多いです。
一方、ヘッドレスCMSはフロントエンド技術の選択肢が豊富で、自由度が高いため、最新の技術トレンドに対応しやすいです。

API・データ管理

項目WordPressヘッドレスCMS
APIの種類REST API / GraphQL(WPGraphQLプラグイン)REST API / GraphQL(CMSにより異なる)
データの取り扱いMySQLを使用、データ構造が固定化されがちAPIベースのデータ取得、自由なデータ構造
リアルタイムデータ連携△(プラグインで対応可能だが制限あり)◎(API連携により柔軟な実装が可能)
おすすめの選択シンプルなデータ管理ならWordPress複雑なデータ連携が必要ならヘッドレスCMS

WordPressのREST APIはシンプルで便利ですが、複雑なデータ構造を扱うには制約が多く、GraphQLを利用するには追加のプラグインが必要です。
ヘッドレスCMSは最初からAPIを前提とした設計になっており、フロントエンドとスムーズに連携できます。

開発スピード・メンテナンス

項目WordPressヘッドレスCMS
開発スピード◎(テーマとプラグインを活用して素早く構築可能)△(API設計やフロントエンド開発が必要)
メンテナンスの負担△(アップデート・プラグイン管理が必要)〇(フロントとバックエンドが分離されており、影響を受けにくい)
長期運用△(プラグインやテーマのサポート切れに注意)◎(最新技術を採用しやすい)
おすすめの選択短期間でサイトを公開するならWordPress長期運用や最新技術を活用したいならヘッドレスCMS

WordPressはすぐに導入できる反面、定期的なアップデートやセキュリティ対策が必要になります。
ヘッドレスCMSは初期開発に時間がかかるものの、長期運用に適しており、新しい技術への対応がしやすいです。

デプロイ・ホスティング

項目WordPressヘッドレスCMS
デプロイ方法レンタルサーバー or VPSCDN + 静的サイトホスティング(Vercel, Netlify, AWS)
サーバー管理必要(サーバー設定・PHP管理が必要)不要(API提供元のホスティングに依存)
運用コスト〇(サーバー代のみ、低コスト)△(APIリクエストやCDN利用料が発生)
おすすめの選択従来のホスティング環境ならWordPressJamstack構成やクラウド環境ならヘッドレスCMS

WordPressはレンタルサーバーやVPS上で動作し、管理が必要です。
ヘッドレスCMSはCDNやクラウドサービスを活用してデプロイできるため、スケーラビリティが高く、グローバルな配信にも向いています。

結論とおすすめの選択肢

これまでの比較を踏まえ、WordPressとヘッドレスCMSのどちらを選ぶべきか、具体的なユースケースごとに提案します。

WordPressを選ぶべきケース

適したサイトの種類
理由
企業・コーポレートサイト豊富なテーマとプラグインを活用でき、低コストで開発可能
ブログ・メディアサイト投稿機能が標準搭載されており、SEOにも強い
小規模ECサイトWooCommerceなどのプラグインで簡単にEC機能を追加可能
中小企業のプロモーションサイト短期間で制作・運用でき、カスタマイズも容易

素早く、低コストでウェブサイトを立ち上げたいならWordPressが最適!
特に、非エンジニアでも更新しやすく、情報発信がメインのサイトには向いています。

ヘッドレスCMSを選ぶべきケース

適したサイトの種類理由
大規模Webアプリケーションフロントエンドとバックエンドを分離でき、スケーラビリティが高い
パフォーマンス重視のサイト静的サイト生成(SSG)により、高速なページ表示が可能
マルチチャネル展開APIを活用して、Webサイト・モバイルアプリ・IoTなど複数のチャネルへコンテンツ配信が可能
グローバル向けサイトCDNとの相性が良く、世界中で均一なパフォーマンスを提供できる

パフォーマンスを最適化し、モダンな技術を活用したいならヘッドレスCMSが最適!
特に、Jamstack構成やリアルタイムデータ連携が必要なプロジェクトには向いています。

どちらを選ぶべきか迷ったら?

チェックリスト選択すべきCMS
短期間・低コストでサイトを公開したいWordPress
Webサイト以外のメディア(アプリ・デジタルサイネージ)と連携したいヘッドレスCMS
SEOやブログ運用を重視したいWordPress
サイトの表示速度を最優先したいヘッドレスCMS
技術的な自由度を重視したいヘッドレスCMS
専門知識がなくても更新しやすいサイトが欲しいWordPress

最後に

「結局どっちを選ぶべき?」という問いに対しては、サイトの目的と求める技術スタックによって最適な選択肢が異なるというのが答えです。
短期的なコストを抑えつつ情報発信したいならWordPress、長期的なスケールやパフォーマンスを重視するならヘッドレスCMSが向いています。

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